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「さて。最終回ってことは、いよいよかなちゃんの番だね」
「えっわたし? た、確かに残ってるのはわたしだけかもだけど……」
「でも、このコーナーはわたしが聞くーっていうコーナーだし……自分で自分に聞くなんて――」
「うん、知ってる」
「なのでこのコーナーはこの山神・稚向津水緒里神がいただいたファーッファッファー!」
「最終回でまさかの乗っ取り!?」
「もちろん水緒里がずっと海神さまにおつき合いしてきたのは、この最終回に向けての仕込みだったわけですが?」
「あ――」
「依ちゃん、そういうのはいいから」
「っていうか、やっぱりさ。肝心要のかなちゃんのことも、みんなにご紹介して、ちゃんと分かってもらわないとだもんね」
「けどかなちゃんのことだから、自分のことはおいといてーってなりそうな気がしたし。案の定だったよ」
「み、水緒里ちゃん……わたしのこと考えてくれてたんだ~っっ」
「まあ、そういうのもいいとして」
「そんなわけで、『海神さまが聞いてみて!』改め『海神さまに聞いてみて!』改めてはじまりはじまり~」
「はいっ! ありがとうっ、おねがいしますっ、がんばります、一生懸命答えますっっ」
「んじゃさっそく。ぶっちゃけさー、かなちゃん」
「おっぱいおっきすぎない?」
「いきなりそんな設問ー!? わたしの感動を返してー!」
「やっぱり一番目を引くとこだし。そしてみんなの疑問に答えるのも祭神の務め!」
「うっ……そ、そうかも……そうだよね……それで、わたしがんばるって言ったもんね……!」
「サイズって99だっけ? 惜しい、あと1センチで夢のメートル越え」
「う、うん、なんか、自分でこんなになるなんてびっくりなんだけど……おかげさまで……」
「やっぱり自分でいっぱい揉んだりしたの?」
「揉んでないよ!? 揉んでもらってもいないよ!?」
「うん、知ってる。なんか、神様になったらおっきくなっちゃったんだよね?」
「う、うん。わたし元々病気がちで、食も細くてすっごい痩せてたんだけど……」
「神様になってからはすっかり健康になって、食欲も増したりして……それで、胸だけじゃなくて全身ちゃんとお肉ついてくれた感じで……えへへ」
「神様になってからおっぱいおっきくなった……つまり」
「そういうご神徳をお持ちでいらっしゃる?」
「依ちゃん!」
「(二礼二拍手一礼)なにとぞ我らにもご利益を」
「(二礼二拍手一礼)お願いします乳神さま!」
「!?!? そそそそんなこと言われてもぉー!?」
「っていうかわたし、ち、乳神? じゃなくて海神だから!」
「プロデュース方針間違ってると思うんだよね」
「まあお乳を押し出されても別方向に困るんだけど」
「既に物理的にじゅーぶん以上に押し出されちゃってるしね」
「あうあ、あうあうあー……やめようよこういう話、恥ずかしくて立貴くんに顔合わせられなくなっちゃうよ~……!」
「そうそう。その辺も聞いてみたかったんだよね」
「ふへ? そ、そのへんって?」
「かなちゃんさー。まあ、自分だと神力上手く使えこなせないからって、おにいに『アレ』してもらってるわけじゃん?」
「あ……う、うん……してもらってるけど……いっぱい……」
「正面から肩ぐって引き寄せられて、瞳を見つめられながら、名前を呼んでもらったりして……」
「そして海神さまは、こう、ビクンビクンと」
「はっはひ、なんでか分かんないけど、じゅわ~ってして……はい……なんか、びくびくって……」
「……恥ずかしくないの? おにいの前で、そんな姿さらしちゃうの」
「そっそれはっ」
「うん。恥ずかしくないってことはないんだよね? かなちゃん、どう考えたって恥ずかしがり屋の部類だと思うし」
「しかし、神力を発揮して祭神の務めを果たすべく、羞恥と身体の甘い疼きを毎度耐えていらっしゃる……と?」
「そっそのっ、それはっ、そのっ……うー!」
「わたしもね? 実を言うと、その、毎回毎回、気持ちよくなっちゃうの恥ずかしくてしょうがないっていうのはあって……」
「けどわりと毎回かなちゃんから、おにいにアレしてって頼んでない? つまりー」
「快楽の虜になっていらっしゃると?」
「依ちゃん言葉のチョイスがキワいなぁ」
「水緒里に合わせてるだけだけど?」
「うん、知ってる。で、かなちゃんそういうコトであってる?」
「!? ちち違うよ!? そうじゃなくてね!? ね!?」
「うん、せっかくだから詳しく」
「そ、その……そのね? ほら、立貴くんはすっごいまじめで、わたしの力になるって、真剣に……ああしてくれてるわけで……」
「だ、だからわたしがなんかコレってえっちな感じもするーとか考えちゃうのは悪いと思うの! ね!?」
「ふむ。かなちゃん的にはちょー気持ちよくても」
「そ、そうそう。自分に、違う違うそういうんじゃないのーって……はい……」
(立貴さんも明らかに毎度我慢してらっしゃると思うけど?)
(まーねぇ。けど、かなちゃんその辺はまったく気づいてないっていうか、頭が回ってないよね)
(性知識がない、というわけではない模様で。しかし人間時代は入院ばかりしていて、社会経験に乏しいとなると……)
(男の人が女の子に対して向ける視線とか、自分で男の人がどうなるーとか、たぶんぜんぜん意識できてないんだよね)
(うーん……おにいも大変だ……しょーじき、完全無自覚じゃない分よりえっちい生きものーって感じだし)
「……え、えっと。水緒里ちゃん?」
「うん。……かなちゃん、きっとね。かなちゃんはいつか、覚醒(めざ)める日が来ると思うんだ」
「え……そ、それって……」
「その日を楽しみにしてるね。がんばってね!」
「はっ……はい! がんばる! ありがとう、がんばって立派な祭神になるね、わたし!」
「……聞くだけ聞いたらいい感じに誘導して話を終わらせるのが上手すぎでは?」
「務めは果たした!」
「えへへ……応援してもらっちゃったぁ。よーし、明日から改めてがんばるぞー」
「おっぱいでね」
「おっぱいで!? そ、それもそのうち分かるってことなんだよね、ならうん、お、おっぱいもがんばりますっっ」
「果たしておにいは耐えられるのか」
「へ?」
「という次第で、皆様はゲーム本編をお楽しみに。失礼いたします」