Special
「蛍塚姉妹のなぜなに晶生村!!」 |
「蛍塚姉妹のなぜなに晶生村~……」 |
「晶生村のことをもっと知って頂きたいための新コーナー。 お相手は私、蛍塚アリカと、妹の蛍塚ユノになります。どうぞよろしく」 |
「ん~まぁ、なんか舞台の紹介とかするんだってさ」 |
「それじゃさっそく。姉さん」 |
「ええ、任せてちょうだい。始めましょう、ユノ」 |
「ってわけで、今日はこの村の中心部らへんなんだけど……」 |
「そうね。ここが舞台である晶生村の中心部になるわ」 |
「うんうん。姉さん、それで?」 |
「村の中心部で、ご覧の通りお店も……ゴホン。お店も……あるわ。これでも」 |
「こっちに一軒。あと向こうにもう一軒。おわり」 |
「……ええ」 |
「け、けれどそれだけではないわ。 この道は古道と言って、晶生の昔からのメインストリートで……」 |
「未舗装だけどね。あげくすごい狭い」 |
「そう……ね……。そうなのだけれど……」 |
「…………」 |
「これが村の中心部と言われても全然ピンとこないよね」 |
「確かに……そうなのよね。冷静に考えると、他の場所と大差ないのだし……」 |
「夜になると真っ暗だしね。お店もすぐ閉まるし街灯もないし」 |
「ええ……そんなところが、村の中心部……」 |
「いわゆる繁華街に当たる場所が……こ、これでいいの?」 |
「んふ。姉さんが改めて疑問を覚えはじめた」 |
「あ……い、いえ、私たちがどう思おうと関係はないわ。 村の人たちがどう思っているか、それがすべてのはずよ! そうでしょうユノ?」 |
「ん~、まぁね」 |
「けどユーザのみんなは困るよね。たぶん。 ピンと来てない人間に紹介されても」 |
「それを言われたら私も困るわよ! 私が自分でこの役に立候補したわけではないのだからっ」 |
「でも、是非にって話振られて引き受けちゃったから?」 |
「っっ……だ、誰がなんと言おうと、ここが村の中心部です! この件についての異論は受け付けません!」 |
「んぷぷっ……さすが姉さん。姉さんのそういうところ大好き」 |
「ありがとう……私は無力感に苛まれているのだけれど…… 是非にと乞われたことに、きちんと応えられないだなんて……」 |
「元の時代にいたころは無敵の優等生だった姉さんがね」 |
「くっ……!」 |
「そういうわけで現地の助っ人呼んどいた。 いろは、ブッキー、カモンッッ」 |
「はーいっ。へへー」 |
「そのあだ名は確定なんですね……」 |
「……ごめんなさい、いろはちゃん、久万里さん。 自分でも情けないと思うけれど、 あとは貴方たちにお任せする以外にないようだわ……」 |
「あはは、大丈夫だよぉーアリカさん、 そんな落ち込まなくても。ねっ寿ちゃんっ」 |
「ふぅ……そうだね。むしろ未来の人たちが覚えてる疑問は、 ユーザの皆さんが覚える疑問に近いだろうし」 |
「それに私たち現地の人間が答えるという形式の方が、 紹介企画としては分かりやすい気がします、アリカさん」 |
「なるほど……。つまり私の存在も無駄ではないということね」 |
「こちらの存在が無駄になった方が私としてはありがたかったですけど…… ふうぅ、放ってもおけないし……」 |
「えっと、じゃあとりあえず質問お願いしますって感じ?」 |
「んじゃさっそく。はーい」 |
「あはは。はいっ、ユノさーんっ」 |
「ブッキーっておっぱいのサイズいくつ?」 |
「はあっ!?」 |
「な、なによユノ、その質問は」 |
「ユーザの皆さんが今覚えてるであろう疑問」 |
「ブッキーが現れた途端、みんなは村のことより まずブッキーのことが気になったはず」 |
「そ、そういうものなの? でも、言われてみると確かにそうかも知れないわね…… この時代なら……」 |
「いえ、あのっ……アリカさん? ユノさんもっ……」 |
「ま、92ってのは調べがついてるんだけど。 すごいねブッキー、身長は151cmなのに姉さんよりあるとか」 |
「なっ……!? な、な、な」 |
「そんなイイ身体してたら、んふ…… ぶっちゃけ夜ごとに疼いたりするんでしょ?」 |
「なななにを言ってるんですかユノさんは!!」 |
「……おっぱいおっきいと、うずくの?」 |
「ん~まぁブッキー、おっぱいだけじゃなくておしりもしっかりしてるし。 それだけセックス向きの身体ってことだし?」 |
「ってことは、そういうものでしょ。わたしの古典から得た性知識によると」 |
「へぇー……そうだったんだ。寿ちゃん大変だったんだね……」 |
「なるほど……久万里さん。 その『疼く』というのは一体どういう状態なのかしら。 詳しく教えてもらいたいところだわ」 |
「でっ……ですから! 私は夜ごとに疼いたりしてませんから!」 |
「ほんとに?」 |
「うっ……ほ、本当、です」 |
「ん~、でもここだけの秘密情報によると、ブッキーは毎夜のように――」 |
「そ、それは違いますから! 確かに夜ごと蔵にこもったりしてはいますけどっ、それは身体の疼きを 止めるためではなくむしろ心の疼きを原稿用紙にぶつけ――あっ」 |
「げんこうようし」 |
「げんこうようし」 |
「わ、忘れてください! 気にしないでください! なにもありませんから、というかこの話題やめてください 私は本当にこういうのが苦手なんですっ!!」 |
「え、ええ、ごめんなさい。貴方が話しづらいことを聞いてしまって」 |
「この時代は女性もままならないものなのね…… 心と身体は本能的に疼いてしまうけれど、理性がそれを受け入れきれない…… ということなのかしら」 |
「…………お願いですからその言い方もやめてください」 |
「え、ええ。分かったわ……???」 |
「ま、今日はこんなとこかな」 |
「とにかくこの企画はこんな風に、いろんなことを紹介していくってことで 今後ともよろしく」 |
「あはは……はぁーいっ。なんか結局、 晶生のこととかは全然説明し切れてない気がするけど……」 |
「いいんじゃない? 次もあるし、ブッキーも晶生の一部なんだし」 |
「あっ、そうだね! なるほどなぁー、あはは、ならこれでいいんだね」 |
「(……それに、姉さんには村の紹介って風に話が行ってるかもだけど、 わたしには違うんだよね)」 |
「(攻略ヒロインのみんなのことが分かるように、 という……その意味ではむしろこの調子としか言いようがない)」 |
「そうなると、次はいろはがいろいろ答える番なのかなぁ」 |
「ん。そんな感じで次回をこうご期待っ。んふふふ~……♪」 |
「でも……久万里さん。私もきちんと学んでいけば、 貴方のように心と身体が疼くようになるのかしら……?」 |
「ですから私は疼いていませんっ。ふううっ……さ、先が思いやられる……」 |