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Special

蛍塚姉妹のなぜなに晶生村
  「クラレッタの! なぜなに蛍塚ユノ~♪」 icon
  「コーナー名違う!? ていうかなんでレッタが勝手にタイトルコールっ」 icon
  「え? ユノさん、それどころじゃないかなぁって。だってほら――」 icon
icon 「ユノ。正直に言ってちょうだい」  
  「って姉さん、姉さんっ。もうカメラ回ってるからほら、ね?」 icon
  「関係ありません。白状してください、ユノさん」 icon
icon 「あはは……」  
  「ってなんでブッキーといろはも~っ」 icon
  「……村の紹介コーナーのはずだったのに、
結局おこなって来たのは我々の恥部を暴くこと」
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  「ぎくっ」 icon
  「聞けばアリカさんもいっちゃんも、私と同じように
暴露されてしまったという話じゃないですか。
となれば当然、考えてもしまいます」
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  「実はユノさんは元々、村の紹介など
まったくする気がなかったのではないかと……」
icon
  「な、なんのことか……」 icon
  「ふぅ……分かってます? その反応、我々の疑念を増すばかりですよ」 icon
  「元々なにかおかしいとは思っていましたし……
話を村のことから私のことにすり替えてそのまま終わらせたり、
一人だけほくそ笑んでいる様子だったりで……」
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icon 「あはは、いろは全然気づいてなかったけど……」  
  「まあそのあたりはいっちゃんだからしょうがないか……ふぅ」 icon
icon 「私もまったく、思いもしていなかったけれど……」  
  「まさかの私だけ!?」 icon
icon 「でも、考えてみれば久万里さんの言うことももっともで……
だからこそ、ユノ!」
 
  「い、いや姉さん? だから別にわたしは――」 icon
icon 「……お願い。本当のところを聞かせて欲しいの」  
  「うっ」 icon
icon 「私、貴方のことを疑いたくないの。だからお願い、違うと言って……」  
  「う……う、ううっ、うううっ……!」 icon
  「……ごめん姉さん全部ほんと」 icon
icon 「!」  
  「あっさり白状してくれましたね」 icon
  「姉さんには勝てないってば……こんな風に真っ正面から真摯に迫られたら……」 icon
  「正直、姉さん引き込んだ段階でもうブッキーの勝ち」 icon
  「い、いえ、私も別に首謀者なわけでは……
ただ三人で話していて自然とこうなっただけで」
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icon 「え、えっとえっとっ、つまり結局どういうことだったの?」  
  「こうなったらもう全部白状するしかない! ってなった」 icon
  「そう! 姉さんが頼まれたのは『村の紹介』って
ミッションだったけど、わたしに来てたのは
『それにかこつけた姉さんたちの紹介』ってのだったのだ――!!」
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icon 「…………」  
  「特に、ヒミツにしてることがよーく分かるようにという。
えっち方面のこととか……」
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  「な、なんですかそれは!」 icon
icon 「そういうことだったのね。ならば仕方がないわ」  
  「ちょっ。なんでそんなに物わかりがいいんですか!?」 icon
icon 「だって、ユノは私に嘘をついていたわけではなかったんだもの」  
icon 「それぞれ違う内容のことを頼まれていたのなら、
行動が食い違うのも当たり前よね。そしてユノの仕事がそういうものならば、
我々には伏せておいた方がいいと判断したのも頷けるし」
 
  「おお……さすが姉さん……。姉さんはこれだから姉さん」 icon
icon 「私も安心したわ。そうよね、ユノが私に嘘なんかつくわけないもの……ふふっ」  
icon 「あははっ。これで安心できる人だから、
ユノさんもアリカさんには敵わないなーってなっちゃうんだねっ」
 
  「ま、まあね」 icon
icon 「えへへ」  
  「でもいろはは正直まだまだ認識があまい!」 icon
icon 「ふへ?」  
  「なぜなら姉さんは――」 icon
icon 「そして、ユノ! そういうことならば!」  
  「やっぱり来たッッ」 icon
icon 「貴方のことも紹介しなくちゃいけないわよね!」  
  「……はい? 何故そんな流れに……」 icon
icon 「だってユノが引き受けたのはそういうものなのでしょう?
それで久万里さん、いろはちゃん、私と来たのだから、
次は当然ユノの番じゃない」
 
icon 「仲間はずれはよくないし、私も姉として、
ユノにきちんと仕事をさせてあげたいわ」
 
icon 「あっ、うんうん!」  
icon 「そして、貴方も自分では自分のことを紹介しづらいわよね? ユノ」  
  「い、いや、あのね? 姉さん――」 icon
icon 「ユノのヒミツを今度は私たちに暴露させてちょうだい!」  
  「いやちょっと姉さん!? こ、これだからこの人はぁ~~っ!!」 icon
icon 「ど、どうだから?」  
  「いつでもどこでも120%誠実だから
なんかもうわたしは結局全然敵わないの~っ」
icon
icon 「あははっ、なんか分かるかも」  
  「確かに、仕返しで言ってるわけじゃないのは
不思議なくらいに分かるもんね……
おまけに最高のヒミツがさっそく暴露されちゃった感じだし」
icon
  「で、それはとりもなおさず、仕返ししたい私にとっては好都合」 icon
  「それじゃ改めてタイトルコールね?
アリカ、いろは、寿の~、なぜなにユノ~in晶生村~♪」
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icon 「今回はこちら、私の妹であるユノのヒミツを
みなさんにご紹介しようと思います。
……こうでいいかしら、ユノ?」
 
  「あ~も~好きにして……」 icon
icon 「ええ、任せてちょうだい。
ひとまず私に言えることといえば、ユノは背が低いのにおしりが大きい体つき、
ということくらいね。どうかしら? えっちかしら?」
 
  「そんな目を輝かせて言われてもな~……んまぁ、えっちなんじゃない?」 icon
icon 「そうよね! ふふっ、出来たわ、私にもっ……♪」  
  「……姉さんはこれだから」 icon
  「私は遠慮しませんが」 icon
  「うぐ。ぶ、ブッキーお手柔らかに」 icon
  「ユノさん、よく由嗣さんを誘惑するようなことをしてらっしゃいますけど……
だ、誰に対してもそんなにふしだらなんですか!?」
icon
  「なんかひどい質問来た!? 違うって、そんなわけないよ!?」 icon
  「でっでは由嗣さんだけが特別だとっ……」 icon
  「ん~まぁ特別っちゃ特別?
だって同時代人でえっちな話通じるの由嗣だけだし……」
icon
  「一人でずっとえっちな知識溜め込んでた耳年増が
ようやくそれを発揮できる相手に巡り会えたと想像してもらいたい」
icon
icon 「あはは。お兄さんが喜んでくれるから自分もーみたいなだ」  
  「な、なるほど……ということは……」 icon
  「そんな由嗣さんでおっおっおっオナニーしたことあるんですね!?」 icon
  「ないよ!?」 icon
  「!? そっ、そんなっ……」 icon
  「……なんでブッキーがショック受けるの?」 icon
  「い、いえ別に。とととにかくしてはいないと」 icon
  「ほら、わたしは由嗣の反応が欲しいタイプだし……
自分でも興味があるだけで、実を言うとまだ性欲とか
いまいちよく分かんないし……」
icon
  「ああ……そういう意味でも耳年増なだけなんですね……ふぅ」 icon
icon 「あっ、じゃあじゃあユノさんっ。
お兄さんと一緒でも、えっとえっと、
えっちな気分になったりしないってことなの?」
 
  「それは……難しい。由嗣からかうの楽しいし、
誘惑するみたいにするとググってなってくれるの、
ムズムズ~っ楽しい~っ嬉しい~って感じになりはするけど」
icon
icon 「そっかぁ。それもなんか分かる気がするー」  
  「で、おしまい? ……予想外にぬるい質問で済んだ」 icon
  「無茶言わないでください……私といっちゃんだって
そういうのには疎かったり苦手だったりですし、
聞く方だって恥ずかしいんですから……」
icon
  「そう、だからこういう話題、聞くのはわたしが向いてる」 icon
  「図らずもわたしが自分に下ったミッション内容を
みんなには伏せていたことに対する正当性が立証されてしまった模様」
icon
  「確かに、こんなみんなに自分からえっちなこと暴露して!
って言っても上手くは行かなかったでしょうしね」
icon
  「ユノさんが上手く誘導してあげる、っていうのが一番の得策だったかも」 icon
  「でしょでしょ。もっと言って。むふ~」 icon
icon 「なら、最後に私が」  
  「えっ? ね、姉さんはもう言えること言い終わってて、
だからもう今回も終わりなんじゃ――」
icon
icon 「……私には質問させてくれないの?」  
  「う……で、では最後にどうぞ。姉さん」 icon
icon 「ありがとう。それでは――」  
icon 「……前回の終わり際、貴方の態度がおかしかったのは何故なの?」  
  「う!?」 icon
icon 「聞いてもいいのよね……?」  
  「う……ぁ……あれはっ……なんて言うかっ……」 icon
  「自分でもよくわかんないんだけどなんかモヤッとして……」 icon
icon 「それは、どうして?
貴方が私に、自分が受けていたものを伏せていたのが
後ろめたくて……というわけではなかったのよね?」
 
  「……姉さんが由嗣の赤ちゃん産みたいみたいなこと言うから」 icon
  「ぶうっ!? な、なんて話をしてるんですか!」 icon
icon 「でもあれは、あのとき言ったとおり、
彼以外思いつかなかったからというだけで……」
 
  「それでもなの! だから自分でもよくわかんないの!」 icon
  「姉さんがそうやって、元々女が備えていた感覚に目覚めてきてくれてるの、
いいことだって思うくせに……」
icon
  「……あの。どう聞いてもそれは嫉妬にしか聞こえないんですが」 icon
  「え」 icon
icon 「ど、どういうこと? 久万里さん」  
  「この未来のお二人は……ふうぅ。つまりですねっ」 icon
  「ユノさんも由嗣さんを好ましく思っているのに、
頭の上がらない姉であるアリカさんも由嗣さんに対して、
その、女として好意的だからという……」
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  「あ、うん。それはあたりかも」 icon
  「……あっさり認められても困るんですけどね」 icon
  「姉さん、つまりわたしも女として目覚めつつあるってことで!」 icon
icon 「素晴らしいわユノ! この時代に来た甲斐があったというものね!」  
  「姉さんは妬かないんだね?」 icon
icon 「?? どうして? 貴方も私も千種くんに好意を抱いている。
なんの問題もないじゃない」
 
  「ああ……姉さん。姉さんだなぁ……」 icon
  「そっちにはまだ目覚めていないと」 icon
  「しっ。そういうのはいいから、ブッキー」 icon
icon 「足並みをそろえるようにお互い成長できていて、喜ばしい限りだわ。ユノ」  
  「……そだね、姉さん」 icon
icon 「あはは、結局仲良しだねっ」  
  「ま、ね。それじゃ姉さん。最後に自分から恥ずかしいヒミツを暴露」 icon
icon 「え? ええ」  
  「わたし……結局、一番好きなのはまだ姉さんみたい」 icon
icon 「……ふふっ、ありがとう。私もよ」  
  「……いえ。あの。『まだ』って」 icon
  「んふ、そういうこと。ブッキーは気が気でない?」 icon
  「そ、そんなことありませんったら!」 icon
icon 「それじゃユノ、最後に……」  
  「ん、姉さん。んじゃ、蛍塚姉妹の――」 icon
icon 「貴方に私たちの紹介という頼み事をしたのは誰なの?」  
  「う!?」 icon
  「…………」 icon
icon 「クラレッタさんではないのよね? だったら私も気づいたと思うし……」  
  「そ、そうね~。ワタシは村の紹介を二人にお願いしたんだし……」 icon
  「だとすると……」 icon
icon 「ユノ、誰なのかしら」  
  「っ……っっっ……」 icon
  「ごめん姉さんそればっかりはまだ言えない~~ッ!!(ダッシュで駆け去る)」 icon
icon 「あっ、もうっユノ! 話が違うじゃないっ……!(追いかける)」  
  「…………」 icon
icon 「…………え、えっと、えっと」  
  「ふぅ……まあ、まだまだいろいろと紹介したいことはあるんだろうけど、
それはもう本編でってことだね」
icon
  「そういうわけで、いっちゃん」 icon
icon 「あっうっうんっ。それじゃこのコーナーはおしまい。
みんな、本編でねーーーーっ」
 
  「……にしても、結局私は今回もまた恥を掻いちゃった気がする」 icon
icon 「ふへ?」  
  「う、ううんっ。気にしないで」 icon
icon 「あはは、はぁーい」  
icon 「にしても……お兄さんのことで、ユノさんがアリカさんにヤキモチ……」  
  「ああ、うん。そうみたいだったよね」 icon
icon 「んぅ……なんでだろ。いろはもなんか、モヤモヤするの」  
  「……えっ!? い、いっちゃんっ――」 icon
icon 「これも女ってことなのかな? いろは女になってきたのかな?
あはは、なんか大変だね女って……」
 
  「……男性は男性で大変なんだろうけど」 icon
icon 「あ、そうだよね。お兄さんだって大変なはずだよね」  
icon 「それじゃ帰ったら、いろはねぎらってあげなきゃ。
お兄さん、モヤモヤしたらいろはが治してあげるねって」
 
  「それは絶対言っちゃ駄目だよ!?」 icon
icon 「う、うん……。???」  
  「はぁ……がんばってください、由嗣さんも……で、ではお待ちしております」 icon
icon 「寿ちゃん、お兄さん待ってるの?」  
  「あっやっちがっ……と、とにかく帰ろう! いっちゃん!(ダッシュ)」 icon
icon 「あははっ、待ってーーーっ(駆け去る)」  
  「…………(見送って)」 icon
  「というわけで、どうなるかはアナタ次第みたいね♪」 icon
  「このような女の子たちが四人……プラス二名もお待ちしている
『ここから夏のイノセンス!』どうぞよろしく~」
icon
THE END.