時は西暦2040年、かつて創作物の中で描かれた未来ほど劇的な変化はないが、世界は順当に科学技術を発達させていた。旧世紀の日本の姿をいまだ周辺に残しつつ、都市中心部は新時代を迎えつつある――そんな地方都市《図南》が舞台となる。
ひとり暮らしをする昌信のもとに届いた一通のメール。送信者は数年離れて暮らしていた母で、瀬戸内海の地方都市・図南市に引っ越しをするよう指示するものだった。
九条ヶ丘学園への転入をすませた昌信は、友人関係を築いていく中で、《連城紗耶香》が部長を務める《☆☆☆部》(ほしみっつぶ)へ加わる。☆☆☆部は観光案内サークルである。そんな特殊な活動内容だが、正式な学園の部活として認められており、学内学外における認知度・貢献度ともに高いという。だが、九条和泉、《初咲雛乃》といった構成部員の内実を知るにつけ、昌信の☆☆☆部の印象は『変人集団』として確立していく。
そんな経緯もあり、昌信から心のオアシスとして認知されたクラスメイトの《アイナ・アシュウィン》も、妹のこのかも、変人集団☆☆☆部の仲間に加わっていく。昌信もまた人のことは言えない『変人の片鱗』を磨きだされていってしまう。