カミカゼ☆エクスプローラー

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  • 「こんばんは、まなみです。『はじめて出会ったその時にピンと来る』そんな経験がみなさんにもおありでしょうか?」
    「それが恋愛であれば一目惚れと呼ばれるものとなりますが、出会いはなにも異性間にのみ起こるものではありません」
    「生涯の親友となる予感、またはその逆に、生涯の好敵手となる予感。世の中には様々な出会いがあり、その時々でまた様々なものを感じるものです」
    「今日は、そんな予感がピンと来てしまった、とある彼女のお話です」
    「……あの、サングラスありますけどかけます? タ●リっぽく」
    「なんでサングラスなんて持ってんの」
    「祐天寺家のSPとして、当然の身だしなみです」
    「そういや智ちゃん、美汐ちゃんのボディガードだったね。美汐ちゃんのそばにいなくて大丈夫なの?」
    「今はまなみさんのお手伝いをするよう命じられていますので。それに……たとえ襲われたとしても、ちょっとやそっとでどうにかなってしまうお嬢様ではありませんし」
    「美汐ちゃんの『プロミネンス』すごいもんね。みんな燃やされちゃうよね……」
    「だけど、あの人にだけはちょっと分が悪い」
    「なるほど、2年の姫川風花さんですね。彼女のメティス『アイギス』は物理的な防御力もさることながら、その範囲内に存在する他のメティスをも排除してしまう」
    「如何にお嬢様の『プロミネンス』が自在に炎を発生させられるメティスでも、『アイギス』の範囲内にはその効果を及ぼせない」
    「うん。まぁ、メティスはどうでもいいんだけどね」
    「あれ!? 私が説明した意味は!?」
    「そんなことより姫川先輩だよ! 実はわたしが一番知りたいのが姫川先輩のことなの!!」
    「なぁに、まなみちゃん? 呼んだ?」
    「わぁっ!? 本人きたぁっ!?」
    「うん、きたよー。智ちゃんもこんにちはー」
    「こんにちは、姫川先輩」
    「それで、私のなにが知りたいの? なんでも教えちゃうよ?」
    「くぅっ……これが持てるものの余裕ってやつ!? はじめて見た瞬間、この人が最強のライバルだと直感したことに間違いはなかった!」
    「ピンと来たのはまなみさんの方だったんですね」
    「せっかくだから、姫川先輩ってどんな人なのかってお話をひとつ!」
    「どんな人かぁ……。あんまり面白いことはないと思うけど……結構普通な感じ?」
    「普通の人は『絶対防御』だとか『学園最強の盾』だとかは呼ばれませんよ」
    「あはははは……。なんかもう、みんな持ちあげすぎだよね。私、落ちこぼれないようにって、がんばっただけだったんだけど……」
    「落ちこぼれるもなにも、成績もつねに上位だと聞いていますが」
    「……今はね。ふぅ……」
    「昔は違ったんですか? ちょっと意外……。姫川先輩っていうとクラス委員やってて、クラスメイトの信頼も厚い優等生ってイメージなんですけど」
    「ありがとう、まなみちゃん! それよ! それなの!」
    「はいっ!?」
    「そう! みんなから信頼される優等生なクラス委員!」
    「私はそうなるために日夜努力して、全教科赤点ギリギリの成績から這い上がったの!! だって、日々追試に追われるクラス委員って、なんかダメでしょう!? だから!」
    「素晴らしい。努力が結実したんですね」
    • 「……でもね、ちょっとでも気を緩めると、すぐに授業についていけなくなっちゃうの……毎日毎日予習復習予習復習って繰り返して、やっと……」
    「う、その辺わたしも同じだから、わかりすぎる……。ん、あれ? 全教科ってことは、もしかしてメティスも?」
    「うん。私のメティスが注目されたのって、1年生の最後のテストの時でねー……それまでは……」
    「その辺のことで朝比奈先生にも、沙織先輩にもいっぱいいっぱい教えてもらったり、助けてもらったりして、本当に感謝してるの」
    「そうだったんだ……」
    「だから逆にね、今持ちあげられすぎなのが、信じられないっていうか……ちょっと居心地悪いって言うか……」
    「……でも、一度はじめた努力の手を緩めるわけにはいかない、と?」
    「!!? そうなの! なんでわかったの!?」
    「いやぁ、だって……」
    「(そういうがんばっちゃう女の子って、もろお兄ちゃんの好みだし……)」
    「まなみさんもいろいろと努力していますよね。お二人の努力、とても素晴らしいことだと――」
    「べ、別にお兄ちゃんの好みになるために努力してるわけじゃっ」
    「そんなこと言ってませんよ!?」
    「お兄ちゃんのために努力しちゃうまなみちゃん、かわいい……はぁ……はぁ……」
    「だから違うって――って、なにはぁはぁしてるんですかっ!」
    「私、一人っ子だから、まなみちゃんみたいなかわいい妹がほしくて……あぁ、まなみちゃんかわいい……私の妹になって……」
    「ちょっ、やめてくださ――ひぁっ!?」
    「あぁぁ、いいなぁ速瀬くん……こんなかわいい妹さんがいて……羨ましい……」
    「……速瀬さんとご結婚なされれば、合法的にまなみさんが妹ということになりますが」
    「は、速瀬くんと、けけ、結婚!?」
    「はぁっ、はぁっ……やっと放してもらえた……」
    「っていうか姫川先輩! ズバリ、お兄ちゃんのことどう思っているんですか!?」
    「は、速瀬くんのこと、どうって……その……だ、大事なお友だち、だよ?」
    「調べによりますと、速瀬さんがはじめてこの学園都市に訪れた際に、姫川先輩が案内役を務めたのが出会いのはじまりのようですね」
    「その後速瀬さんは姫川先輩と同じ2年A組に所属し、姫川先輩のお隣の席へ。そのまま、姫川先輩が転入生のお世話役へとシフトしたそうです」
    「だ、だって、ほら、私……クラス委員だし……」
    「なんで顔真っ赤になってるんですか!?」
    「違うの、これは……。私、元々そういう話って苦手で……すぐ照れちゃって……。よく琴羽ちゃんとかにもそれでからかわれちゃうの」
    「むむぅ……。じゃあ、お兄ちゃんのことはそんなに好きでもないんですか?」
    「え、すごく好きだけど……」
    「ッ!?」
    「お、お友だちとしてね? まだ、おつきあい? とかそういうのは早いって思うし……」
    「早くは……ないですよね……。私たち、しようと思えばそれこそ結婚だってできる年頃ですし……」
    「ふぅ……ふぅ……ふぅ……待って。ホントに待って……そういう話、ホントに恥ずかしくて……はぅ……」
    「かわいくて……おっぱいもおっきくて……なんでもがんばっちゃって……その上、うぶで恥ずかしがり屋……」
    「……おっぱいって……まなみちゃんだってすっごくおっきいのに」
    「というか、かわいくて、なんでもがんばっちゃうあたりもまなみさんに該当しますね。それに、速瀬さんのことになると、突然うぶで恥ずかしがり屋になってしまう点も」
    「べ、別にお兄ちゃんのことに限った話じゃないもんっ!!」
    「や、やっぱりまなみちゃんかわいい……。妹にしたい……」
    「となるとやはり、速瀬さんとの結婚を……」
    「し、真剣に考えた方がいいかなっ!?」
    「だめーっ!! 真剣に考えちゃだめーっ!!」