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ストーリー/舞台

ストーリー

 現代日本、初土湖(うぶつちこ)という湖のほとりにある美那浜町(みなはまちょう)が舞台となる。

 ゲーム好きの主人公・海棠秀穂(かいどうしゅうほ)は、自らが通う『初土学園(うぶつちがくえん)』に『エンターテインメント研究会』と称する同好会を作り、同じくゲーム好きの妹・海棠璃々子(かいどうりりこ)と親友・綿貫敦盛(わたぬきあつもり)の三人で放課後になるたびに集まってゲームを楽しんでいた。
 そんな日々の中に現れた転入生・雪之宮杏音(ゆきのみやあのん)は『エンターテインメント研究会』の面々に「まだ誰もプレイしたことのないゲームをプレイしてみたくはありませんか?」と告げる。
「是非プレイしたい」と沸きあがる三人に対し、璃々子の親友・紅藤友梨亜(べにふじゆりあ)は不信感をあらわにする。
 璃々子にすら明かしてはいないが友梨亜は現実(リアル)の“魔法使い”であり、杏音から魔法の気配を感じとっていたのだ。
 だが、そんな説明するわけにもいかない理由では三人のゲームやりたい欲求を押しとどめることはできず、結局友梨亜も含めた五人で、杏音が持ち込んだまだ試作段階だというゲーム『Wizard Generation』をプレイすることになる。

 プレイを開始した途端、秀穂たちは自分たちが見たこともない大草原に佇んでいることに気がつく。『Wizard Generation』は、プレイヤーの五感すべてに訴えかける超リアル体感ゲームだったのだ。
 破格の新技術に驚愕を覚えつつもあっさり受け入れてしまう面々に、あまりにも非常識だと友梨亜は頭を抱えるが、その友梨亜もすぐに『Wizard Generation』の楽しさにのめり込んでいってしまう。
 秀穂たちがゲームばかりしていることに異を唱えるクラス委員・星咲桜花(ほしざきおうか)や、幼なじみのお姉さん・敷島(しきしま)なつめをも巻き込んで、秀穂たちは『Wizard Generation』を続けていく。
 だが、面々がゲームに興じている間にも、現実の世界は大きな転換期を迎えようとしていた――。

※Wizard Generation
雪之宮杏音が持ち込んだ試作ゲーム。メーカー名は不明。
オーソドックスな剣と魔法の中世ファンタジー的な世界観で、ミッション選択型のアクションRPG――というところまではそれほど珍しいゲームではないのだが、どういう仕組みなのか、プレイ中には実際にその世界で剣を振るい、魔法を放っているように体感できる新技術が使われている。
基本6クラスとそれらの複合クラスに加え、多種多彩なスキルや、多様に系統分けされた呪文など、千変万化のキャラクター成長システムで、リアルな体感だけでは終わらないハマれるゲームシステムを構築している。

舞台

  • 初土湖

    遊泳も可能な水質の湖。
    湖を取り巻く山々からの水が流れこんでできており、夏でも水温が低め。
    この湖のおかげで初土一帯の気温も周辺より若干低くなっていると言われている。古来より霊験あらたかな湖としても知られており、かつてはナウマン象の化石が採掘されたことで有名だった。避暑地として別荘やペンションなども数多く建てられているが、不景気のあおりを受けて観光地としてはすっかり寂れてしまっている。

  • 初土学園

    美那浜町北東の町外れにある主人公たちが通う学園。
    生徒数減少による経営状況の悪化から、しばらくの間閉鎖されていたが、数年前に紅藤瑠偉が新理事長として就任し、学園運営が再開された。再開校に伴って校舎は改装はされたものの、元々の作りが古いことはいかんともしがたく、怪談話の類には事欠かない。初土湖を臨む比賀山(ひがやま)のふもとにあり、校舎の裏側は切り立った山林となっている。湖畔には昔からの慣習と環境に配慮して、大きな建物が建てられていないため、初土湖側から見える最も大きな建物がこの学園の校舎となる。

  • 初土美那浜町

    初土湖の南側に位置する静かな町。
    “湖の南側にある浜”なので“みなみはま”が縮まって“みなはま”になったと言われている。単に『美那浜(みなはま)』とも。初土学園に通う生徒のほとんどがこの町に住んでいる。美那浜は湖水浴ができることもあってペンションや別荘なども多くあり、観光客の出入りもある町だが、古来からの慣習と景観への配慮から、大きなホテルといったものは見あたらない。電車も来ていないので、車やバスが主な移動手段となっている。