今より少し未来、気候や地表の変化が起き、人の生活圏が少し狭くなってきた時代のお話。
緩やかに変わる世界に呼応するように、若い世代の間で「メティス」と呼ばれる特殊な力を持った者が現れるようになる。
不思議な風が吹くという逸話が残る「上ヶ瀬市(かみがせし)」では、「祐天寺グループ」を中心とした複数の企業による出資のもと、
一部浸水した区画を埋め立てて「澄之江学園(すみのえがくえん)」が創設され、特殊な力を持つ者の育成・教育が行われていた。
主人公、速瀬慶司(はやせけいじ)は、そんな能力とは無縁の生活を送っていたが、ある日、学園のエージェントと名乗る人物からなぜかスカウトされ、澄之江学園に入学する事に。
そして、ふとしたきっかけで、澄之江学園とその周辺の問題調査(という名の困り事解決)をする「学園都市調査研究会(通称:アルゴノート)」に参加するようになる。
これまで体験した事のない出来事にとまどいながらも、胸を躍らせる毎日。
そんな中、澄之江学園そして再開発された上ヶ瀬市には妙な噂があると耳にするのだった――。